我が子を伸ばすための「子育て憲法12章」

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 実は今年度は三足のわらじを履いている。塾経営と幼稚園バス運転の他に大学生をやっている。幼稚園教諭の免許を取るために、通信教育の大学に在籍しているのだ。先日「教育学概論」の講義を受けたが、そこで使われた教材に「子育て憲法12章」というものがあった。北本市などで校長をされていた吉田俊雄先生が書かれたもの(1991年)だが、秀逸なので転載したい。
 
第1章 主権在親 子どもが成人し、責任ある社会人として独立するまでは、一家の主権は親(保護者)にあります。
 第1条 我が家の教育方針を確立し、両親が(家庭によっては祖父母も)一貫した姿勢    で子どもを養育しましょう。
 第2条 ダメはダメ。最後まで子どもに寄り切られないように。
 第3条 子ども部屋は治外法権(権限の及ばないところ)ではありません(鍵不要。親    の出入りも自由)。
 
第2章 夫婦の戦争放棄 夫婦円満こそ子育ての根幹です。明るく、ユーモアのある家庭からは非行は芽生えません。
 第4条 夫婦が互いに相手の人格を尊重し、いたわり合い、助け合う姿、生き方そのも    のが最高の家庭教育です。
 第5条 苦労はあっても、いつも笑顔、笑い声の絶えない、明るい家庭づくりを心がけ    ましょう。
 第6条 子どもの前での夫婦げんか、相手非難・批判は厳禁。
 
第3章 基本的生活習慣の確立(1) 基本的生活習慣で欠けているところがあれば、しっかり身につけさせなければなりません。
 第7条 さわやかな朝のリズムを作りましょう。
①定刻に一人で起床 ②寝具、ベッドの整頓 ③親子の朝のあいさつ ④洗面、歯磨き、用便 ⑤服装、名札、身だしなみ ⑥朝食は必ずとる。偏食禁止。箸の持ち方 ⑦忘れ物はないか ⑧余裕を持って登校 ⑨通学路、交通規則順守
 
第4章 基本的生活習慣の確立(2) 家族の一員としての自覚と責任を持たせ、節度のある、規則正しい生活習慣を身につけさせましょう。
 第8条 自分のことは自分でさせよ。家族のことも考えさせよう。
①帰宅時間を守る。遅くなる場合は電話などで連絡を ②「ただいま」のあいさつ ③履き物はそろえて脱いだか ④家の仕事、食事の手伝い ⑤正しい言葉遣い ⑥予習、復習、宿題 ⑦テレビの見過ぎ、長電話、夜更かしの禁止 ⑧明日の支度、入浴
 
第5章 子どもの人格尊重 子どもは、今は未完成で欠点が多くとも、間違いなく21世紀の担い手であり、一個の尊い人格を持った存在です。
 第9条 子どもは親の私有物ではありません。親の都合で子どもにつらい、悲しい思い    はさせたくないものです。
 第10条 時には厳しく叱責することも必要ですが、その子の全人格を否定するようなし    かり方は慎みましょう。
 第11条 親子といえども別個の人格です。子どもには、子ども自身の人生があることを    お忘れなく。
 
第6章 過ぎたるは及ばざるがごとし 過保護、過干渉、ヶ条期待は子どもをダメにします。時には厳しい体験も、また子どもに任せることも必要です。
 第12条 渇き、空腹、苦痛。つらい、悲しい、さびしい、いやな思いを経験して、耐性    や自制心が身につくのです。
 第13条 子どもが考え、判断し、意思表示する前に、親が口を出してしまっては、子ど    もの自主性は育ちません。
 第14条 子どもへの親の期待が大きすぎると、子どもはつぶれてしまいます。その子の    個性、能力を尊重しましょう。
 
第7章 父親の出番 父親はとかく仕事第一になり、母親まかせの子育てになりがち。でも、父親にも大事な出番があります。
 第15条 子どもが非行に走りかけたり、過ちを犯したときは厳しく叱れる、毅然とした    父親であること。
 第16条 子どもの進路や生き方について、自分の体験を通してアドバイスのできる、良    き相談相手でありたいものです。
 第17条 父親もできるだけ、子どもとのふれあいの時間や場を作り、我が子の理解に努    めましょう。
 
第8章 食事の重要性 一日三度の食事は、子どもの心身の発達に大きな影響を与えていることを再認識したいものです。
 第18条 間食、夜食は極力減らし、三度の食事を十分にとらせましょう。朝寝坊による    朝食抜きは厳禁。偏食の解消も。
 第19条 手作りの"おふくろの味"こそ最高の栄養素です。ビタミンI(愛)入りの料理    をふんだんに食卓へ。
 第20条 一家そろっての楽しい食事の時間を持ちましょう。「いただきます」「ごちそうさま」マナーもしっかり。
 
第9章 ほめるにしかず お世辞だとわかっていても、ほめられることは大人でも悪い気はしません。ほめ上手は子育て上手です。
 第21条 どの子どもにも必ずどこか良いところがあります。良い点をうんとほめ、激励    し、自信を持たせることが大切です。
 第22条 子どもがいちばんいやがるのは、他人と比較して悪く言われることです。子ど    ものプライドを傷つけないように。
 第23条 一日に最低一回は、子どもをほめたいものです。あなたは、きょう自分の子ど    もを何回ほめましたか。
 
第10章 心の財第一 世の中には三種の財宝-蔵の財(お金や物)、身の財(健康・知識・技能など)、心の財(人格・人間性)があると言われています。"心の財"の蓄積こそ家庭教育の根幹です。
 第24条 何よりも自他共の生命を大切にし、常に人間性豊かに、明るく、強く生き抜く    力を身につけさせましょう。
 第25条 人を愛し、信頼し、助け合い、協調でき、ルールを守る、責任感のある人間を    育てたいものです。
 第26条 美しいもの、崇高なものに感動できる心の育成を。
 
第11章 非常時の心得 子どもは失敗や過ちを繰り返しながら、大人になっていきます。何かが起きたときの親の対処の仕方に、そのマイナスをプラスに変える鍵があります。
 第27条 子どもは自分に不利なことは話しません。我が子の話だけで判断せず、冷静に    出来事の真相を見極めましょう。
 第28条 うちの子どもだけがどうして、と一人で考え込まず、担任の先生や信頼できる    人に打ち明け、相談することです。
 第29条 非を諭(さと)す毅然たる態度と同時に、暖かく包み抱える寛容な心が必要で    す。"罪を憎んで子どもを憎まず"
 
第12章 限りなき前進 子育てはとかく結果論になりがちですが、過去を詮索するのではなく、未来を志向した考え方、取り組みが大切です。きょうは終着点ではなく出発点なのですから。
 第30条 親の生き方=子どもの姿です。親が確固たる人生観、人間観を持ち、常に前向    きに明るく生きることです。
 第31条 自己には厳しく、子どもにはやさしく。子どものつまずきの原因は100%親    にある、ぐらいの認識が必要です。
 第32条 親も子どもと共に生涯学び続けていきましょう。